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どちらが良い?クラウドサービスとアプライアンス製品について【スワットブレインズ社 寄稿】

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今回は企業のセキュリティ対策とIT活用のプロであるスワットブレインズ社より ご寄稿いただいたブログをお届けいたします!



1.クラウドとは? 

ITの世界には色々な言葉があります。
最近だと、ICT。DX。
その前は、SaaSや、〇aaS といった言葉がたくさんあります。
これは、”〇〇 as a Service” の略なのですが、そういうのをまとめて
「Everything as a service(EaaS)」とも呼ぶそうです。

いくつあるかご存知ですか? 全部、言えますか? 

実際、覚えるのも大変ですね。
この〇aaS と呼ばれる、つまりEaaS と呼ばれるサービスは、
クラウドコンピューティングサービスの形態のひとつで、
クラウド上で機能や環境などをパッケージとして提供するサービスです。
実に11種類もの 〇aaS があるそうです。


では、そのクラウドってなんだ?という話をさせて頂きます。

クラウドって、簡単に言うと利用する側から見て
インターネット経由で利用することが出来るコンピュータシステム」と言えます。

単純に比較した言い方では、これまで社内にコンピュータ用のマシン室を用意し空調と電源の設備を整え、
そこに多くのコンピュータや関連システム機器を配置して業務で使用する仕組みを構築していました。

さらに、それを安定的に稼働させるための管理者も配置していました。
この環境設備が、インターネット回線経由で利用できるように準備されている環境がクラウド環境と呼ばれています。

この部分だけを比較すると、利用する側から見れば設備が無くなって助かる仕組みになります。
さらに、コンピュータシステム機器を運用するための場所や管理者も不要になるかのようにも思います。

確かにそれは大筋では間違いありません。
クラウドを利用するとは、物理的なスペースや管理者を削減する点では大きなポイントとなります。

一方で、クラウドと言っても目に見える場所に設備が無いだけで、
インターネット回線の向こうではコンピュータシステム機器が設置されていて、
多くの場合はサービスとして提供する事業者が大規模なコンピュータシステム機器を用意し
それを利用者に一定の割合で「切り売り」するようなイメージとなります。

その結果、社内設備として利用していた状態と大きく変わることなく必要な機能を利用することが出来る。
という事になります。




2.アプライアンス製品とは?

では、アプライアンス製品というのはどういうものでしょうか。

まず、単純に何かのシステムを新たに導入する際の手順を考えてみます。
業務に必要な仕組みは、その仕組みを実現するアプリケーション製品の選択から始まります。
例えば、電子メールの仕組みを導入する場合はメールサーバ製品が必要です。
グループウエアを導入する場合は、グループウエア製品が必要です。

次に、その製品を稼働させるためのサーバハードウェア機器を準備します。
細かいことを言うと、利用者の状況や環境に応じて、最適なサーバハードウェアの性能や構成を、
仕組みを知るエンジニアによって設計(サイジング)選定が行われます。
この工程は重要で、もし手を抜くと実際に利用し始めた後にトラブルが発生する要因となるため大切な工程となります。

その後、サーバハードウェア機器に、OS(オペレーティングシステム)やデータベース、
その他運用管理に必要な仕組みを準備します。

ここまで準備が済むとシステム提供会社のエンジニアが必要な技術を駆使して、
組み立てるように実装作業を施し、仕組みとして利用できる状態に構築します。

この作業はアプリケーション製品によってサーバ台数規模も作業時間も異なります。
大規模な仕組みであれば日数も増えます。

アプライアンス製品は、結論から先に言うと
比較した場合の良いポイントは、


・必要な設備を短期間で導入可能
・利用者の規模に応じたアプリケーション製品とサーバ性能が設計済な状態で提供
・導入後にトラブルが少ない


という点にあります。

結果として、必要な仕組みが最短期間で利用可能となるため、エンジニアの技術工数が削減されるので
製品費用以外の費用も抑えることが可能となります。

またアプライアンス製品は、運用するために必要な管理ツールなども搭載されることも多く、
運用する管理者の負荷を低減する工夫もされています。

アプライアンス製品は、サーバ機器のサイジングや必要な構造などが事前に設計され
動作テストも行われており、使いたい仕組みを最も効果的に利用できる形で準備されています。
そのため、多くの場合は使いたい仕組みの規模や種類を前提にして「製品モデル」を選ぶだけ
トラブルが少なく問題が起きにくい仕組みの導入ができます。

つまり、アプライアンス製品は、使いたい仕組みを短期間で
かつ、関連費用などを抑えて導入する場合には適しています


3.クラウドのマイナスポイント 

今回のテーマである “どちらが良い?“ に戻った言い方では、この時点ではどちらが良いでしょう。
正直、まだ決められないですね。

では、それぞれのマイナスポイントを見てみましょう。

クラウドの場合は、最も重要なポイントがあります。


・インターネット回線が無いと使えません。そのため回線が止まると使えません。
・さらに、インターネット回線の通信性能が低いと仕組みが思ったように使えません。
・サービス提供元の都合で、使いたい機能や仕組みが停止します。


などがあります。

当然ではありますが、インターネット回線が全ての前提となるので、
仕組みが使えなくなるリスクを、最初から想定しておく必要があります。

例えば、通信回線を2本以上同時に準備することも必要です。
場合によっては、異なる通信会社の回線とすることで回線停止のリスク分散を行う場合もあります。
また、通信回線の運用管理が必須となるため、ネットワーク知識のある担当者を配置する必要もあります。

次に、クラウドの仕組みによっては多くの通信量が必要になるので、
その通信が詰まること無く、スムーズに流れるようにするための大容量通信回線の設備契約が必要となります。

実はクラウドの仕組みを採用する際に、同時にインターネット回線について検討することは
大切なのですが忘れがちな項目でもあります。

多くの場合は、既存のインターネット回線環境のままでクラウドの仕組みを利用するとトラブルが発生します。
WEBサイトの閲覧が遅くなった・グループウエアの画面表示が遅い・ファイルのコピーや移動が終わらない。
などです。

業務効率が下がって内部の利用者のストレスが増えることになります。

また、忘れてはいけないのはセキュリティ対策です。
それまで社内のシステム内で完結していた内部情報(データ)をインターネット回線の向こう側に移行するため、
情報保護の目的で何らかのセキュリティ対策も同時に必要となります。

これは、多くの場合は、クラウドの仕組みを提供する事業者から提案されると思うので忘れる項目では無いと思いますが、
セキュリティ対策のために新しい操作方法が必要になる場合もあります。

内部の利用者向けに、操作教育やマニュアルの整備が必要となります。
また、パスワードの管理やその運用については、新たな業務となります。




4.アプライアンス製品のマイナスポイント


次にアプライアンス製品の場合です。

重要なポイントは、製品の利用期間です。製品提供元側から言うと製品保守期間を定めている点です。

アプライアンス製品はハードウエア機器にソフトウェアが組み込まれて一体化された商品です。
利用期間中に故障するリスク対応や搭載するパッケージソフトウェアのバージョンアップ対応、
さらにはソフトウェアの利用契約に沿って製品保守契約を締結することが多くありますが、
主にハードウエアの修理対応を行うための部材提供に期限が発生するため、5年間で製品を入れ替えることが必要です。
(期間は製品により異なります)

そのため、アプライアンス製品を導入する場合は、
5年後の入替えを見越した形で製品のライフサイクルを前提にした運用を検討しておく必要があります。

また、アプライアンス製品を設置する場所は、
従来とおりの内部マシン室とするか。それとも、データセンタなどに預けるか。
その場所によっては周辺環境整備が異なります。

一方で、外部に委ねる仕組みではないため、
アプライアンス製品を利用するためのセキュリティ対策を新たに導入することはありません。
さて、ここまではマイナスポイントと言える部分を紹介しました。




5.まとめ 

改めて今回のテーマである “どちらが良い?“ に戻った言い方では、この時点ではどちらが良いでしょう?

ずるい言い方で言えば、必要な仕組みの導入に際し、利用者側が「出来る事」と「出来ない事」を整理して、
クラウドの仕組みとアプライアンス製品のどちらかが「向いてるか」を選択することになると思います。

どちらが勝ってる。という結論は簡単ではありません。

しかし、時代的には、クラウドの仕組みを利用する「流れ」があるのも事実です。
中央省庁をはじめ、全国の自治体もクラウドの仕組みを利用する検討も進んでいます。
それに合わせて、クラウドの仕組みを提供する事業者も、利用する側に必要な工夫をしています。

変化の途中であるため選択肢が多く複雑になっているようにも思いますが、
サービス提供元との具体的で詳細な検討を進めることで、最適な選択肢を見つけることが出来るようになります。

また、インターネット回線についても利用者が増えることで
コスト的にも以前よりは下がってきているように思います。

そういう意味では、クラウドの仕組みとアプライアンス製品の選択は、
さらに「適材適所」の見極めが必要なのかもしれません。

明電商事では、お客様の希望されるニーズに合わせて、クラウドの仕組みや
アプライアンス製品の導入提案やコンサルティングを行っています。
ご興味がありましたらお気軽に問い合わせ下さい!

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