3.「リモート調査の実施に関する同意書」とは
リモート調査の実施に当たって、インターネット利用のリスクも含め、納税者の理解を得て進めることを前提としています。
その為、
「リモート調査の実施に関する同意書」の記載内容に同意と、リモート調査の際に使用するメールアドレスを提供する必要があります。
実際の内容は以下となります。
1.共通事項
・ 国税庁の機器・通信環境は、「政府機関等のサイバーセキュリティ対策のための統一基準」のほか、国税庁独自の対策を実施しており、政府統一基準を踏まえ、適切にセキュリティ対策を講じていること
・ 調査を受ける法人(以下、「調査法人」という。)側の機器・通信環境においても、必要なセキュリティ対策が講じられている必要があること
・ 税務調査においては、機密性の高い情報のやり取りが行われること
・ インターネットを利用した機器・通信環境や外部サービスにおいては、その脆弱性等に起因し、ウイルス感染等の被害が生じるおそれがあること
・ リモート調査は、調査法人の要望も踏まえつつ、効率的な調査の実施に資すると認められる場合など、当局において実施を判断すること
・ 国税庁は、リモート調査の実施に当たり、調査法人の過失等により、調査法人又は第三者が被った被害について、一切の責任を負わないものとすること
2.インターネットメールの利用に関する事項
・ 国税当局においては、実施部署ごとに配付されているリモート調査用メールアドレスを使用し、調査法人1社とのやり取りにしか使用しないこと
・ リモート調査用メールアドレスは、調査法人が登録を希望したメールアドレス(以下「調査法人のメールアドレス」という。)以外のメールアドレスからの送受信はできない仕様となっていること
・ 調査法人のメールアドレスは、原則として1件の登録に限るが、要望があれば最大3件までの登録が可能であること
・ インターネットメールの利用を開始する際は、国税当局から調査法人のメールアドレスにテストメールを送信するとともに、調査法人はその返信を行い、なりすまし防止の観点から、電話による送受信確認を行うこと
・ 国税当局に対する連絡は、インターネットメールを利用して行うことが可能であること
・ 第三者(関与税理士を除く。以下同じ。)の情報を含む内容はインターネットメール本文に記載しないこと
・ インターネットメールにデータ(ファイル)を直接添付しないこと
3.Web会議システムの利用に関する事項
・ 調査法人の担当者とリモートでの面談を行う場合には、原則として、Webexを使用することとし、実施に際しては、リモート調査用メールアドレスを使用し、ログイン用のミーティングリンク(URL)、ミーティング番号及びパスワード等を調査法人のメールアドレス宛に連絡すること
・ Webexの利用に当たって必要となるミーティングリンク(URL)、ミーティング番号及びパスワードを第三者に教えることは禁止すること
・ Webexによる面談を開始する際は、ログインされたメールアドレスが調査法人のメールアドレスであることを確認し、カメラをオンにした上で本人確認(氏名等の確認)を行うこと
・ リモート調査を実施している場合であっても、調査の必要上、国税当局の判断により、臨場及び直接の対面での調査に切り替える場合があること
・ 第三者が調査内容を聴取可能な状態にしないこと
・ 録音、録画及び画面共有機能の利用は禁止すること
・ Webexの利用に当たり発生する通信料は、調査法人側の負担となること
4. オンラインストレージサービスの利用に関する事項
・ データ(ファイル)は、原則として、Prime Driveを利用して受渡しを行うこと(容量制限:1.9GB/回)
・ データ(ファイル)には、パスワードを設定すること
・ 設定したパスワードは、メール以外の別の方法(電話等)により連絡すること
・ 調査法人がPrime Driveにアップロードしたデータ(ファイル)は、国税当局における保存作業が完了次第、当該データ(ファイル)を完全に消去すること
現在のところ原則としてWeb会議システムはWebex、オンラインストレージサービスについてはPrime Driveを利用することが前提となっていますが、こちらについては「原則」と記載されてあることから、
リモート調査がポピュラーになってくれば色々なサービスでの対応が可能になってくるのではと思われます。